EGOIST
ダンテは思わず声を漏らす。
今頭に浮かんだものが正解であることを証明する材料はないし、そんなことをしている余裕はない。

「おいイアン、そっちはどうなってる」
『へいへーい、ちょい待って………うし、監視カメラの映像は取れるようになった』
「監視カメラの映像を弄れるか?」
『そのくらいなら』
「なら、どんなでもいい。とにかく滅茶苦茶に弄りまくってくれ」
『りょーかい』

イアンは理由も聞かず、返事をした。
彼にとって理由はどうでもいいのだ。

と、それまで微妙にずれていた2人の攻撃が再びキレを取り戻した。
目もしっかりダンテをとらえている。
グレネードの効力が切れたのだ。

「さっきからずっと避けてばかりですね。避けてばかりじゃ何もできませんよ」
「いやいやいや、流石にその凶悪な蹴りと拳に自分からあたりに行くようなことはできませんて」
「これがお前の言う正しさなのか!」
「さっきからそれをどうも気にしてるっぽいけど、オタクら正しいってどういうことかわかってらっしゃる?」

ダンテの言葉に2人は明らかに雰囲気が変わる。
それが怒りからか、図星を突かれたことによる焦りか、ダンテには分からなかったが。

「弱いくせに」
「偉そうに言うな!」

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