EGOIST
他の男達からも形状は違うものの、明らかに正規品ではない銃が何丁か出てくる。
男はスマートフォンを取り出し、何枚か写真を撮る。

「何する気だテメェ」

うつぶせに倒れていた男が男をにらみ上げた。
が、睨まれた方は涼しい顔である。

「いやぁ、せっかくなんで記念写真を送信しようかと。宛先?さてどこでしょうね。その辺にいる一般人かもしれないし、こわーいおっさんかもしてないし」

そう語る男は心底楽しそうだ。

「は、テメェみたいな小物が御三家とつながりがあるわけ………」
「さぁ、どうだろうね。人は見かけによらないと言いますし?」

言いながら、男は倒れた男達にもカメラを向けて数枚撮影。

「ほい、そーしん。この後どうなるかはお楽しみってことで」

さぁ、どうなるかな、と男は楽し気に言いながらスマートフォンの画面を見せる。
そこには送信が完了したことを知らせるメッセージ。
それに倒れた男達は苦虫を噛み潰した顔をする。
そしてノロノロと起き上がり、傷む体を引きずるようにその場から立ち去って行った。

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