EGOIST
「私相手でなくても容赦ないでしょう」
「えー?そんなことないって」

どうだか、とエレンは肩を竦めた。

「まぁ、彼とはこれきりにするつもりです。やる気が全く感じられませんから」
「ですよねぇ」

それは信頼できるできない以前の問題だった。
ヒューとエルドレッドの指示でやってきた彼にとって、今回の仕事はやりたい仕事ではなかったのだろう。
それはラッセルに会った時点で気づいていた。
決して気持ちのいい仕事ばかりではないフェアファクスの裏稼業だが、こうまでやる気がないと仕事に支障をきたす。
そんな人間を近くに置いておくほどエレンは寛大ではない。

と、その時エレンのスマートフォンが着信が入ったことを知らせる。
エレンがスマートフォンのディスプレイを確認する。
イアンはその後ろから覗き込むようにしてディスプレイを見た。

「じーさんからだな」

表示された名前を見てイアンが呟く。
仕事のことについてか、はたまた単なる暇つぶしか。
とりあえず出なければ始まらないと、エレンは通話ボタンを押した。




< 196 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop