EGOIST

3

「なるほどねぇ。そういうことか」

ズズズ、とイアンが音を立ててストローで飲み物を吸い上げる。
それと向かい合うように座るダンテは頬杖をついて明後日の方向を見ている。

ダンテに珍しくイアンから連絡があったのは1時間ほど前。
待ち合わせたファストフード店の適当な席に座り、イアンの開口一発目は「エレンと何があった?」だった。

イアン曰く、あのパーティー以降、エレンの様子が何となくおかしい気がしているのだという。
明確に何がおかしいのかは分からない。
しかし、雰囲気がどうもいつもと違う。
それがあのパーティーからだったという。
そして、何かあったとするならばおそらくダンテの事であろうとこれまたなんとなく思ったようで、それを確認するためにダンテを呼びだしたという。

ダンテは最初答えるつもりはなく、適当にはぐらかそうとしたのだが、エレンを姉と慕うイアンである。
エレンの事になればそう簡単に引くわけもなく、結果的に軍配はイアンに上がった。
そうしてあの日にあったことを吐かされ、現在に至る。

「たく、意気地がねぇなぁ。いっそのことそのまま相方になってくれりゃこっちとしても楽なんだが」

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