EGOIST
その胃に穴をあけたのはどこのどいつだとイアンがジトリと視線を向けるが、アーサーはどこ吹く風である。

「そういえば、何故君はここに?何か用があったのかい?」
「アンタが突撃しに行きそうだから様子見に行ってくれってエレンに言われたんだよ」
「おやおや、そうだったのかい。彼女の予想は今日も冴えてるね」

そう言い、アーサーは嬉しそうに笑った。

「え、あ、イアン。知り合いなの?」

そこでようやく1人置いていかれてアンジェリカが2人の会話に入ってくる。

「ん、まぁ。同級生の父親だし。フェアファクスは王家とかかわりの深い家だしな」

イアンがさらりと本日2発目の爆弾を投下。
アンジェリカの脳内はあまりの衝撃的な事実にパンク寸前である。

「さて、こんなところで立ち話もなんだから、これからお茶でも………」
「残念ながらアンタは退場だ。さっき迎えよこすように連絡しといたから」

ほら来た、とイアンが首をしゃくれば、その先には黒塗りの高級車。
そこから出てきたのは軍服姿の男2人。

「連絡感謝する」
「いーえ。そっちこそお勤めご苦労様です」

男はそれぞれアーサーの腕を掴む。

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