EGOIST
「楽しんでいますね、これは。最初はおそらく父親の思想に感化されての行動だったのかもしれませんが、本来自分達より身体能力の高いアルマを手にかけることができているということが楽しくて仕方がない、と言った感じでしょうか」
エレンは資料から導き出す自身の考えを口にした。
その分析力はとてもではないが15歳の子供のそれではない。
「警察は適当に犯人をでっちあげて終わりにするつもりらしいの。これでは何の解決にもならん。寧ろ、犯罪を加速させると陛下が嘆いておられての」
「この3人をどうにかしろ、と」
エレンの問いに、ヒューは無言である。
その無言を、エレンは肯定とみなした。
「分かりました。できるだけ早く片を付けると、陛下にお伝えください。父親のほうはどうしましか?」
「あちらには手を出さん方がいいだろう。腐ってもこの国を支える一柱じゃ。今失うのはあまり得策ではあるまい」
息子に制裁を加えれば、それだけで父親のほうにはきつい薬になるだろう、とヒューは続けた。
「分かりました。ではそのように」
エレンはそう言い、資料を持って立ち上がった。
資料を鞄にしまい、部屋を出るべくドアに向かう。
「エレン」
その背中に、ヒューが呼びかけた。
エレンはそれに振り返る。
エレンは資料から導き出す自身の考えを口にした。
その分析力はとてもではないが15歳の子供のそれではない。
「警察は適当に犯人をでっちあげて終わりにするつもりらしいの。これでは何の解決にもならん。寧ろ、犯罪を加速させると陛下が嘆いておられての」
「この3人をどうにかしろ、と」
エレンの問いに、ヒューは無言である。
その無言を、エレンは肯定とみなした。
「分かりました。できるだけ早く片を付けると、陛下にお伝えください。父親のほうはどうしましか?」
「あちらには手を出さん方がいいだろう。腐ってもこの国を支える一柱じゃ。今失うのはあまり得策ではあるまい」
息子に制裁を加えれば、それだけで父親のほうにはきつい薬になるだろう、とヒューは続けた。
「分かりました。ではそのように」
エレンはそう言い、資料を持って立ち上がった。
資料を鞄にしまい、部屋を出るべくドアに向かう。
「エレン」
その背中に、ヒューが呼びかけた。
エレンはそれに振り返る。