危険なアイツと同居生活【番外編】
ー蒼sideー
優弥なんかには負けないと思っていた。
だって俺は、ずっと走り込んできたんだから。
Fが活動していた頃から。
優弥の運動神経がいいことは分かっている。
バスケ部でしごかれたから。
あの頃、優弥はかなり太っていたのに、持久力はあったし瞬発力もあった。
バスケも上手かったから、誰も文句は言えなかったのだ。
だけど、俺の知る限り、今は運動なんてしていない。
優弥が勝ったらFの活動を開始させるなんて言っていたけど……
今はまだ、そんな心境ではなかった。
今は休んで、第二の人生を楽しんで。
そして満足して時が熟したら活動を再開させたいと思っている。
「優弥が勝ったら、賢一にも申し訳ないよね」
慎吾が言う。
今はフランスに修行に行っている賢一。
賢一もせっかく落ち着いて料理の修行が出来るようになったのに。
そんな賢一のためにも、俺たちは頑張らないと。