危険なアイツと同居生活【番外編】
「最悪、罠に嵌める?」
「うん。別の道に誘導したり、崖から蹴落としたり……」
そう話す俺たち。
「てめぇら、フェアに行くぞ」
その後ろから低い声が聞こえ、飛び上がった。
「きゃー!艶!!頑張って!」
女性の悲鳴が相変わらずうるさい。
優弥には侮れない。
忍者のように後ろに来るんだから!
俺は慎吾と嫌な顔を見合わせた時……
スタートの合図が鳴った。
俺たちよりも前に出て、スタートダッシュをかける優弥。
どんどん引き離されていく。
だけど、ここは焦ってはいけない。
なんてったって、フルマラソンだ。
俺は着実に走って、いつか優弥を抜かす!!
そう念じていた。