「 好 き だ よ 」
「……借り人競争って、たしか借りられた人と手繋いでゴールしないといけないやつだったっけ」
「あ、うん。そうだね」
借り"物"競争ではなくて、借り"人"競争。
お題に沿った人を見つけ出して、一緒にゴールを目指すもの。
それから、手を繋いで一緒にゴールしないと失格になるという、ちょっと羞恥心が駆られる競技なんだけど、この競技も割と名物であって、リレーの次に盛り上がるんだとか。
「……相手によってはちょっと俺、ムリかもしんない」
「? なにが?」
「───おい、白石!お前集合かかってんぞー!!」
突然、背後からそんな声がして振り返ると、
遠いところからこちらに鋭い眼光を放つ、クラスメイト兼体育委員の田端が立っていた。
え、と思いながら慌てて辺りを見渡すと、私と同じく借り人競争に出るのであろう生徒たちは既に入場門へと集まっていて、ちょこん、とおとなしく地面に座り待機している。