「 好 き だ よ 」


「お前ときめきメモリあってんじゃねえよ」



およそ3分ほど待機していると、入場の合図が出されたので各ブロックごとに駆け足でグラウンドへと入場する。


スタート地点へ近づいていく度、体育祭ならではの緊張がじわじわと高まってくる。


空気の読めない田端の一言はしっかりとスルーしておいて、走っている時に取れないよう頭に巻いた黄色のハチマキをぎゅう、と力強く結んでおいた。



「おいコラ、てめー無視すんな! 俺は本気で優勝目指してんだよ」

「勝手に熱くなんないでよ。べつに優勝目指してないなんて誰も言ってないし」

「どの口が言ってんだよ。出番直前に男とイチャイチャしてたくせに」



ふっ、と嫌味ったらしく鼻で笑ってくる田端をキッと睨みつける。



「男じゃないし。 男だけど、そんなんじゃないし」

「はぁ?」

「……田端うるさい。 これ以上突っかかってきたら、あっこに告げ口するよ?」

「っ…! バ、バカ、おまっ、それだけはやめとけ」



顔面紅潮。 一気に赤く染め上げる田端くんは、あっこに片思いしているからね。


残念ながらあっこは進藤先輩一筋だから、
田端の恋は難攻不落なんだけど。



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