××したいくらい、好き。

「……」

ガタガタと震える足でゆらりと立ち上がる私。

「絆奈ちゃん、生まれたての子鹿みたい…!!」

隣で、机に突っ伏しながらクックと笑っているかいとくん。
この野郎人の気も知らないで……!!

「……」

ちらりと黒板を見る。

名前、誕生日、血液型、趣味、好きな○○……と白チョークで書かれている。
これが、自己紹介の内容……。

って…。

難易度高すぎじゃないですか!?

特に、『趣味』。
そして…『好きな○○』とは!?

誰かたすけて。
たすけて。

好きなこと!?それとも物!?それとも何!?

私の小さな小さな引き出しからじゃなにも引き出せない何も浮かんでこないあああああ!!!叫


「った、かはし…きずな……です…」


視線を、黒板に書かれた文字から離さないよう、これでもかというくらいにまぶたをギンッとこじ開ける。

名前、クリア。

つつつつ次は、誕生日……!!



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