××したいくらい、好き。
練習を?
目をぱちくりと開ける私に、かいとくんは真顔で私を見下ろしてきた。
そして腰をかがめて、私の顔をのぞき込んでくる。
「絆奈ちゃんが体育館にいてくれれば、僕練習する」
―――ガシッ
「ひゃあっ!?」
かいとくんのその言葉と同時に、先ほどの男子二人に急に肩をつかまれた私。
驚きで飛び跳ねてしまった。
「ねえ!! 君、“あの”絆奈ちゃんだよね!?」
「まさかとは思ったけど“あの”絆奈ちゃん!! 俺たちのために練習見に来て!!」
練習ミニキテ!?
っていうかその前……!!
『あの』ってなんなの……!?
なんかもう私の知らないところで私の知らない噂が流れてるってこと……!?
「はわわわわ……」
その噂の元凶は、今、にこにこと危うい笑顔を浮かべているかいとくんに違いない。
そんな人の練習している姿を見に行くなんて。
か、彼女でもないのに………!!