××したいくらい、好き。

「っていうか、みんなが言ってる『“あの”絆奈ちゃん』って、どういう意味?」

なっちゃんが不思議そうに奥山君に尋ねると。


「おーい、風雅にバカイトー、片付け終わったからさっさと着替え…って、あれ?」


すると、明るめの茶色いボブの髪型の女の子が私たちの方へかけてきた。

ジャージを着ている。
どうやらバスケ部のマネージャーのようだ。

「こんにちは、今日ギャラリーで見てた人たちですよね」

かわいらしい笑顔で挨拶をしてくる。


「って、もしかして、“あの”絆奈ちゃん!?」

「………」


この人にまで“あの”って言われてる~…。

もう帰りたい…。


「初めまして。私は南 琴葉。マネージャーやってます。風雅の幼なじみだよ。よろしくね絆奈ちゃん」


にこりと笑った琴葉ちゃんは、わたしの手を取ってきゅっとにぎってくれた。


「はわっ……!!」

「はわ??」


固まる私を見て、不思議そうに首を傾げる琴葉ちゃん。


「あー、ごめんね、この子極度の人見知りで…」


代わりになっちゃんが説明をすると、琴葉ちゃんは「そうなんだぁ」と、またもかわいく笑ったのだった。

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