××したいくらい、好き。
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「絆奈ちゃん、僕どうだった?」
私は、今日何度目かわからない質問を受けております。
結局あの後、最後まで練習を見ていた私となっちゃん。
かいとくんは、練習が終わるや否や私たちの元へとすっ飛んできて。
『絆奈ちゃん、僕どうだった?』
しっとりと汗で濡れた髪が、いつものかいとくんとはまた違う雰囲気で、ドキドキしてしまって。
「あ、う……」
何も、しゃべるくとができなくなってしまっていました…。
「あんたが、“あの”絆奈って人?」
「!!」
急に知らない人から名前を呼ばれ、即座になっちゃんの背中へ隠れる私。
「あ、奥山君!! きず、さっきかいとくんとペアで練習してた人だよ!!」
「………」
恐る恐るなっちゃんの後ろから顔をひょこりと出すと。
そこには同じく汗で濡れた、イケメンが立っていた。
「海音、さっさと着替えるぞ」
持っていたタオルをぽすっとかいとくんに被せる奥山君。
「まさかほんとに、海音が本気出すとは思わなかった。さすが絆奈ちゃん」
そして奥山君は、面白そうに私を横目で見てきた。
「な…私は、別に…」