××したいくらい、好き。

***

「絆奈ちゃん、僕どうだった?」

私は、今日何度目かわからない質問を受けております。

結局あの後、最後まで練習を見ていた私となっちゃん。
かいとくんは、練習が終わるや否や私たちの元へとすっ飛んできて。


『絆奈ちゃん、僕どうだった?』


しっとりと汗で濡れた髪が、いつものかいとくんとはまた違う雰囲気で、ドキドキしてしまって。

「あ、う……」

何も、しゃべるくとができなくなってしまっていました…。


「あんたが、“あの”絆奈って人?」

「!!」


急に知らない人から名前を呼ばれ、即座になっちゃんの背中へ隠れる私。

「あ、奥山君!! きず、さっきかいとくんとペアで練習してた人だよ!!」

「………」

恐る恐るなっちゃんの後ろから顔をひょこりと出すと。
そこには同じく汗で濡れた、イケメンが立っていた。

「海音、さっさと着替えるぞ」

持っていたタオルをぽすっとかいとくんに被せる奥山君。

「まさかほんとに、海音が本気出すとは思わなかった。さすが絆奈ちゃん」

そして奥山君は、面白そうに私を横目で見てきた。

「な…私は、別に…」



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