ヘタレなオレの君への想い。

返事が無い。


恐る恐る隣のチサの様子を伺う。




あ、やべぇ…。


完璧に機嫌損ねたみたいだ。



眉間にしわ寄せて、唇尖らせてる。

分かりやすく怒ってるな…。



「…普通って何?いつもは美味しいって言ってくれるのに。一緒にお祝いして欲しくて持ってきたのに!」



おいおい…。駄々っ子かよ~。

チサはこうなると止まらない。




「ごめんごめん。美味いって。」




謝って、改めて本当の事言ってみたけどチサは納得いかないみたいだ。

失敗したなぁ…。オレ何やってんだ?

普通に美味いって言ってあげれば良かっただけだろ。



「悪かったよ。」


頭をなでなでしながら、チサの顔を覗き込む。




「…もう良いよ。シュンは私の幸せが嬉しくないんでしょ?」




は?


思わずチサの頭を撫でていた手が止まった。
< 9 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop