後輩なんて本気になりません!


「何朝から 幸せな顔をしてんの?」


「そう?」


「幸せそうな顔してる
恋をしてるでしょ?」


「はぁ?してないし」


恵の誘導尋問に
負けないように頑張るあたし。


「あっ!矢口だ!」


「えっ」


キョロキョロと周りを見ても
誰もいない。


「来てないしねぇ
騙されたぁ あはは」


「もー!あんたね!」


ふざけてた恵は急に
「本当に好きならちゃんと
気持ちを伝えた方がいいよ
あんたのように
中途半端な態度を取ってると
いつかはダメになっちゃうよ」
と真剣な顔をして話す。


「あ〜ねぇ」


「まぁ 陽菜が矢口を好きな場合よ
好きな場合ね!」


しつこい。。。


「あっ!来たよ!」


またまたあたしに嘘をつこうと?
もう騙されないし
あたしは振り返ることはしない。


「もー!回れ右!」


無理やり向きをかけられ
後ろを見ると本当に龍馬が
出勤してきた。


「あ・・・おは・・」


おはようの途中で言葉は
止まってしまった
それは丸井さんが一緒だったから。


それも楽しそうに笑っていた。


「あっ!先輩おはよう」


昨日はごちそうさまーーー
と言いたいが言えない状況。


「矢口くん じゃあ
夜にね」


丸井さんは夜にね!と
言ってあたしたちには
では!と頭を下げて先に中へと入った。


夜にね。


どこか行くんだ・・・
聞きたくても聞けない。


それを察したかのように恵が
「うん?夜に何かあるわけ?」
と龍馬に尋ねた。



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