ＭＡＹＢＥ ＴＯＭＯＲＲＯＷ

もしかしたら両性具有か？いやいや、そんな馬鹿なことがあるか。
頭が錯乱してこんがらがって髪の毛を搔きむしりたくなる衝動を抑えてわたしはオニイチャンの部屋からの音に集中した。

ふたりはそのあと二十分くらいギターを弾いて歌い続けると、部屋からはパタッと物音がしなくなった。わたしはあわてて机に戻って椅子に腰かけた。

いかにもいつ入ってこられても不審がられないようにと。

わたしが椅子に座るとほどなくオニイチャンの部屋のドアが開いてひとが出ていく音がした。
その足音はわたしの部屋の前を通って階段をおりて行き、やがて玄関のドアが開く音がして閉まる音がした。

「帰ったの？」