MAYBE TOMORROW
それらをお盆に載せて、わたしは再び忍者のように階段を上って行った。

二階の踊り場にたどり着くと、さっきは気がつかなかったのだけれどオニイチャンの部屋のドアは僅かに開いていたのだ。そしてそこからは、微かに歌声が聴こえてくるではないか。

それはさっき聴いた歌と同じ曲ではあったのだけれど、なぜか趣は全くと言ってよいほど異なっていた。

「こんどはひとりで歌ってる」
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