MAYBE TOMORROW
高校生活の三年間は読書と勉強に明け暮れた。
それはまちがいなくお兄ちゃんの影響だった。
引っ越しの日に見た、おびただしい数の文庫本。
あれをお兄ちゃんはすべて読んでいたのだ。
数百冊はあったであろう。
そしてお兄ちゃんのことだから大学に入ってからもさらに
読むにちがいない、のだ。だからわたしも読んだ。
そして勉強した。それは離れていてもお兄ちゃんと時間を共有していると
思える唯一の行為と思えたからにほかならない。
逢えなくても一緒、本を読んでいるときだけはそう思えたのだ。
そして三年後、わたしはお兄ちゃんの通う大学に合格した。
もちろん、学部も学科も一緒だ。文学部国文学科。
まあそこには、ナディアもいるのだけれど。
そしてつけ加えるならば玲奈も一緒に、だった。
それはまちがいなくお兄ちゃんの影響だった。
引っ越しの日に見た、おびただしい数の文庫本。
あれをお兄ちゃんはすべて読んでいたのだ。
数百冊はあったであろう。
そしてお兄ちゃんのことだから大学に入ってからもさらに
読むにちがいない、のだ。だからわたしも読んだ。
そして勉強した。それは離れていてもお兄ちゃんと時間を共有していると
思える唯一の行為と思えたからにほかならない。
逢えなくても一緒、本を読んでいるときだけはそう思えたのだ。
そして三年後、わたしはお兄ちゃんの通う大学に合格した。
もちろん、学部も学科も一緒だ。文学部国文学科。
まあそこには、ナディアもいるのだけれど。
そしてつけ加えるならば玲奈も一緒に、だった。