先輩、一億円で私と付き合って下さい!
4
ノゾミは両手にビニール袋を下げ、疲れた足取りで部屋に入って来た。
そこで俺を見るなり、跳ね上がるほどびっくりしていた。
「よぉ、邪魔してるぜ」
「あ、天見先輩、どうして、えっ、えっ?」
「なんか成り行き上こうなってしまって……」
俺もどう説明していいかわからない。
「ノゾミ、一体どこに寄り道してたの? なにその荷物?」
志摩子がノゾミから一袋奪って中身を覗いた。
「あら、小麦粉、生クリーム、ゼラチン、コンデンスミルク、家にもあるじゃない」
「でもそれはお店のだから」
もう一つの方にはイチゴが入っていた。
これはどう見てもお菓子作りの材料だった。
学校帰りに寄り道して、これを買いに行って遅くなったらしい。
「あっ!」
ノゾミが急に慌てだし、ローテーブルの上にあった自分のスケッチブック目掛けてダッシュしてひったくると、顔を赤らめて志摩子に怒っていた。
「どうして、これを天見先輩に見せてるのよ」
「だって、あなたが早く帰ってこなかったから、退屈しのぎに、見て貰ってたのよ」
ノゾミはスケッチブックを抱きしめ、俺をちらっと見た。
もっと自信を持っていいと思うが、所々にハートマークがとびかったり、ポエムらしきものも入っていたのを気にしているのだろう。
そして『レイLove』という落書きも実は目についていた。
俺はそのことには触れずに、とても素晴らしいアイデアだったと称賛した。
ノゾミは両手にビニール袋を下げ、疲れた足取りで部屋に入って来た。
そこで俺を見るなり、跳ね上がるほどびっくりしていた。
「よぉ、邪魔してるぜ」
「あ、天見先輩、どうして、えっ、えっ?」
「なんか成り行き上こうなってしまって……」
俺もどう説明していいかわからない。
「ノゾミ、一体どこに寄り道してたの? なにその荷物?」
志摩子がノゾミから一袋奪って中身を覗いた。
「あら、小麦粉、生クリーム、ゼラチン、コンデンスミルク、家にもあるじゃない」
「でもそれはお店のだから」
もう一つの方にはイチゴが入っていた。
これはどう見てもお菓子作りの材料だった。
学校帰りに寄り道して、これを買いに行って遅くなったらしい。
「あっ!」
ノゾミが急に慌てだし、ローテーブルの上にあった自分のスケッチブック目掛けてダッシュしてひったくると、顔を赤らめて志摩子に怒っていた。
「どうして、これを天見先輩に見せてるのよ」
「だって、あなたが早く帰ってこなかったから、退屈しのぎに、見て貰ってたのよ」
ノゾミはスケッチブックを抱きしめ、俺をちらっと見た。
もっと自信を持っていいと思うが、所々にハートマークがとびかったり、ポエムらしきものも入っていたのを気にしているのだろう。
そして『レイLove』という落書きも実は目についていた。
俺はそのことには触れずに、とても素晴らしいアイデアだったと称賛した。