先輩、一億円で私と付き合って下さい!
「私が作ったお菓子は、一人ではできなかったってことです」
「誰か手伝ったってことか? それがここの店の人?」
「はい。やっぱりお菓子を作るには、それなりの道具と、それなりの素材と、それなりの条件が必要なんです。それで──」
「それでなんだ?」
「それで、全てプロの物を使いました。そして、傍にはコツを教えてくれる人も居たんです」
ノゾミが言いたかったことは、この店でお菓子を作り、この店のパティシエに教えてもらったということに違いない。
「お前まさかここでアルバイトでもしてるのか?」
「いいえ、そうじゃないんです。ここは……」
その時、店のドアが開いて女性が一人出てきた。
「あっ、ノゾミじゃないの」
近寄ってきたその女性は、すらっとしていて、目を見張る美人だった。
俺がいる事に気が付き、途中から俺をじろじろと見つめてきた。
「この男の子誰?」
「えっと、この人は、天見先輩」
「アマミ? 名前からして甘党って感じ。もしかして、ケーキのご予約かなんかで、店の紹介でもしてるの?」
「ち、違う」
「じゃあ、だったらなんで、こんなカッコいい先輩とノゾミが一緒にいるの?」
「そ、それはその」
ノゾミがはっきり言わないので、俺はイライラして口を挟んだ。
「俺たち付き合ってます」
「えっ! ノゾミの彼氏なの? 嘘!?」
その女性は顎が外れるかというくらい大きな口を開けて驚いていた。
「えっ、なんでなんで、こんなカッコいい人がノゾミの彼氏なのよ。信じられない。もしかして甘党で、ケーキに目が眩んでノゾミを利用してるの?」
「お姉ちゃん、そんなんじゃないの」
「誰か手伝ったってことか? それがここの店の人?」
「はい。やっぱりお菓子を作るには、それなりの道具と、それなりの素材と、それなりの条件が必要なんです。それで──」
「それでなんだ?」
「それで、全てプロの物を使いました。そして、傍にはコツを教えてくれる人も居たんです」
ノゾミが言いたかったことは、この店でお菓子を作り、この店のパティシエに教えてもらったということに違いない。
「お前まさかここでアルバイトでもしてるのか?」
「いいえ、そうじゃないんです。ここは……」
その時、店のドアが開いて女性が一人出てきた。
「あっ、ノゾミじゃないの」
近寄ってきたその女性は、すらっとしていて、目を見張る美人だった。
俺がいる事に気が付き、途中から俺をじろじろと見つめてきた。
「この男の子誰?」
「えっと、この人は、天見先輩」
「アマミ? 名前からして甘党って感じ。もしかして、ケーキのご予約かなんかで、店の紹介でもしてるの?」
「ち、違う」
「じゃあ、だったらなんで、こんなカッコいい先輩とノゾミが一緒にいるの?」
「そ、それはその」
ノゾミがはっきり言わないので、俺はイライラして口を挟んだ。
「俺たち付き合ってます」
「えっ! ノゾミの彼氏なの? 嘘!?」
その女性は顎が外れるかというくらい大きな口を開けて驚いていた。
「えっ、なんでなんで、こんなカッコいい人がノゾミの彼氏なのよ。信じられない。もしかして甘党で、ケーキに目が眩んでノゾミを利用してるの?」
「お姉ちゃん、そんなんじゃないの」