S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「ひとつの曲しか弾けないけどな。でも、俺はピアノが弾けりゃあどこでもいーんだよ」
「さっきのいい曲だね。なんてタイトル?」
「さぁ?忘れた」
火神さんの質問をスルーした戸澤くんは頭の後ろで腕を組み、ふふんっとすましてみせる。
「あ!その顔は絶対知ってるでしょう!?教えてくれてもいいじゃない!」
「おーおー怖いねぇ。火神組のお嬢に目をつけられるとは」
「ちょ、ちょっと戸澤くん!そんなこと言ったら後ろにいる……」
顔面凶器に張り倒されるって……。