S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


────すると、



「黒崎。俺は今どんな風に見える?」



って、またすぐ黒崎さんに聞くんだから!!



「はい椿様。なにかご納得のいかないことがあるように感じます」



そして素直に答える黒崎さんはとことん主人に忠実だ……。



「な、なにが納得いかないの?」



恐る恐る聞いてみると、



「最近いつも明里の隣にいる男は誰?」



えっ、男……?


真っ先に浮かんだのはローランド先生……なんて言ったことを乙女心を持つ本人に知られたら、今度こそ肩を外されそうだ。



「……あ。もしかして戸澤くんのこと?」


「ふーん。ピアノばっかり弾いてるあの黒髪の癖毛男は戸澤響って言うのか」


「いや、誰って聞いてきたくせに最初から名前まで知ってるんじゃん……」



もう……。


一向にツーンとした顔を変えない椿。

< 110 / 358 >

この作品をシェア

pagetop