S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


「戸澤くんは、クラスメイトだよ。同じ庶民としてよろしくって言ってくれて……ピアノ好きな男子だよ……?」



チャラそうー、なんて火神さんは言っていたけど、毎日毎日、熱心に音楽室へ通う戸澤くんからは純粋にピアノを愛する気持ちを感じた。



「知ってる。俺の母親が熱心にピアノを教えてた生徒のひとりだからな」


「あ……椿も覚えてるんだね?私はこの前その話を聞いて……青薔薇の入学許可証を出してくれたひとがいるみたいなんだよね……」


「戸澤の理由なんかどうでもいい」



うっ……。


椿ってば、戸澤くんのことが気に入らないんだろうか。



「お前に言ってなかったことがある」


「な、なに?」



言ってないこと、なんて言われてドキッとしたのに、



「俺、浮気は許さない主義だから」


「………はい?」



なにかと思えばまたそういうセリフを平気で言うんだから……っ。

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