S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「つまりキミは母上の手料理を箱に入れて持ち歩いてきたということか?」
「そ、そうです。今日は豆腐ハンバーグを作ってくれて、そこで食べてただけなんです……どうかお許しください!」
「豆腐、ハンバーグ……だと?聞いたこともない」
聞いたこともない病名だ、みたいな反応しないでください……。
「庶民の家庭料理です。爽様の人生に取るに足らないものでございますよ」
蒼ノ月様の執事の男性がツンとした言い方で伝えると、
「口を挟むな、犬井(いぬい)」
「……大変失礼致しました!」
私こそ庶民ですみませんすみませんすみません。
「他人に意見されるとは初めてのことだ。ましてや星ノ宮の幼なじみから」
「ごめんなさいごめんなさい。庶民でごめんなさい!二度と失礼な真似はしません!」
私は地面におでこをつける勢いでその場で深々と頭を下げると、一目散に走り出した。