S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「は、はいっ……決して演じているというわけではなく……あの、出すぎた真似をしてごめんなさい!」
「なぜ引き止めた。理由はあるのか?」
「え……それは、シェフの方が見ていて。せっかく作ったものをひと口も手をつけてもらえないなんて、悲しいじゃないですか……」
「悲しい?」
蒼ノ月様がシェフを見る。
調理したと思われるシェフは眉を八の字にして目を伏せた。
「……お美味しかったのか美味しくなかったのか、せめてそれだけでも知れたらって。私のお母さんは、今日のお弁当どうだったってよく聞いてきます!」
「お弁当?」
「……こ、これです!」
私がお弁当箱を持ち上げて見せると不思議そうな顔をする。