S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「はぁっ、はぁっ……苦し……っ、僕は、少しばかり、明里くんに時間を作ってもらっただけで、ここまでされる覚えはないぞ!」
「違うそうじゃない」
「じゃあ……な、なにをそんな怒り心頭しているんだ星ノ宮は!」
私の隣で息の乱れた蒼ノ月様は怯えるように椿を見上げた。
「当然だろ?俺より先に可愛い明里を押し倒したんだから」
「………はい?」
それは私の口から零れ落ちた声であった。
椿までなに言ってんのよ……!!
「……っ、椿!?」
そして、反論するよりも先に椿は私の手をグイッと掴むと、畳の上から引き上げてくれた。
「奪還成功?」
なんて言いながら涼しげな笑みを見せる椿に手を引かれ、和室の出口へと向かった。
「まっ、待て星ノ宮……!!」
振り返ればよろよろと立ち上がる蒼ノ月様がキッと椿を睨んだ。