S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「オヤジがわたしに教えてくれたのは、強さと誇り。友達の作り方は今も知らない。家のことを知ったら、みんな離れてったから。それならずっとひとりでいいって思ってたし、その方が誰も巻き込まないから……なんて言ったら、友達のいない奴の僻みに聞こえるのかな」
火神さんの口から自嘲の笑みが零れる。
「わ、私を避けてたのは、もしかしてそれが理由なの……?」
「だって怖がらせるだけでしょう?あんたを怖がらせたくはないんだ。最初はさ、明里が青薔薇に来た時ね?明里、おどおどしてキョロキョロしてて。ああ……この子、わたしみたいだなって思って声をかけた」
「私が、火神さんみたい?」
「うん。柄にもなく、また友達が出来なかったら寂しいなってホントはわたし不安だった……。だから、明里もなにもわからない学園に飛び込んできて、不安そうにしてるのがわかった」
知らない世界に飛び込んだあの日、不安と驚きとで、深く息が吸えなかった。
「でも、最初に明里に声をかけた時、わたしの方が震えてたんだけどね……」
────“ ねぇ。あんた、もしかして外部の人? ”
火神さんの声は今でも鮮明に残ってる。