S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「余裕?あるわけないでしょ」
はぁ……っと溜め息を零す椿。
「青薔薇のプリンス様が、そんないっぱいいっぱいでいーのぉ?」
火神さんがすかさず突っ込んだ。
「いつも追いかけんのに俺は必死だよ。可愛い明里から目が離せないんだから、仕方ないと思わない?」
何いってんの、とでも言いたげに椿は口角を上げ笑みを浮かべた。
「っ、」
そんなことを言われたら、もう否定とか反論とか一切出来るわけもなくて。
自分じゃどうしようもないくらい、椿にドキドキしてる私がいる……。
「帰るぞ」
そんな余裕綽々の椿と一緒に教室を出る寸前に、火神さんに声をかけたかったんだけれど。
蒼ノ月様と火神さんは「これが敗北感ってやつなのか……」とふたりしてぶつぶつ言っていたのだった。