S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
椿が意地悪な表情をしてわざとらしく聞いてくるから、顔を逸らすしかない。
「照れてる?ホント、可愛い」
からかわないで、と怒った私が椿の胸を叩こうとしたその瞬間、
「────お遊びは終わりだと言わなかったか?」
あの人の冷たい声が飛んできた。
「ラスボス……じゃなくて、椿のお父さん!?」
和室の入口から腕を組んでこちらを見ている。
私は硬直した。
「その様子じゃ、称号など余裕綽々といったところか?」
契約を交わしたあの日と同じように嫌味を飛ばしてくる……。
さっき椿から日本にいるかもと聞いていたけれど、まさかもう再会してしまうなんて。
サイレントに現れるラスボスなんて聞いてないんですけど……。
「椿。お前も、いつまでも駄々をこねていないで、いい加減オモチャを手放したらどうなんだ?」
オモチャだのハエだの、この人は本当に好き勝手言ってくれる……。