S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「あなた達生徒が作った料理を召し上がって頂くわよん。そのためのレシピ作成教室ですから、最高の一品を。そのレシピを提案してちょうだいねぇ」
一品……すらも厳しい。
すぐさま取りかかるお嬢様達。
スラスラと配られた用紙に書き込んでいるではないか。
しまった、完全に出遅れている……。
「そんなに難しく考えなくても、明里が得意な物でいーんだからね?」
私を気にして声をかけてくれた火神さん。
「火神さん……私、フレンチやイタリアンとか出来なくて……」
「あははっ。わたしも無理だよ?だから毎年、和食にしてんのよ。オヤジも好きでさ」
……と、用紙を覗くと、フカヒレ茶碗蒸しと書いてある。
「……」
自分も大好物です、と答える顔面凶器ことノブさん。
こ、これが次元の違いというやつだ……。