S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


「あなた達生徒が作った料理を召し上がって頂くわよん。そのためのレシピ作成教室ですから、最高の一品を。そのレシピを提案してちょうだいねぇ」



一品……すらも厳しい。

すぐさま取りかかるお嬢様達。


スラスラと配られた用紙に書き込んでいるではないか。


しまった、完全に出遅れている……。



「そんなに難しく考えなくても、明里が得意な物でいーんだからね?」


私を気にして声をかけてくれた火神さん。



「火神さん……私、フレンチやイタリアンとか出来なくて……」


「あははっ。わたしも無理だよ?だから毎年、和食にしてんのよ。オヤジも好きでさ」


……と、用紙を覗くと、フカヒレ茶碗蒸しと書いてある。



「……」


自分も大好物です、と答える顔面凶器ことノブさん。



こ、これが次元の違いというやつだ……。

< 246 / 358 >

この作品をシェア

pagetop