S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


おばあさんは繰り返して口にすると、にっこり笑ってみせた。



「どこへ行ってもなかなかお声をかけてもらえなくて、もう帰ろうと思っていたのよ。だから榎並さん。本当にどうもありがとう」



失礼だけれどおばあさんは偉い人というか、来賓の方ではないからお嬢様方も声をかけなかったのかもしれない……。



「こちらこそ受け取ってもらえて光栄です!」



なによりさっきまで悲しそうな顔をしていた男の子の笑顔が見れたんだもん。



「お姉ちゃんバイバイ!」



同じように手を振って、階段を降りていくおばあさんと男の子を見送った。



来賓の方には食べてもらえなかったけど、優しい味を残したいって気持ちでお豆腐を作るお父さんとお母さんの気持ちをもっと知りたくなった。



「───俺の分ってある?」



ドキッ……。

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