S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
椿のそばにいたいって。
遠くに行きたくない。
遠くに行かないでって。
「だって、これはラスボスとの契約だから」
「俺がさせると思ってんの?」
「だけど、星ノ宮家の当主様にたてついたら、いくら椿でも……」
「いくらでもたてつくよ」
ジリジリと距離を詰める椿に圧倒されて、気づけば私の背中は壁にピタリとくっついた。
トンっと私の頭の横に手をついて、椿がゆっくり目をあげる。
「たてつかない方が後悔するに決まってんだろ」
「……っ、ううん!でもこれは、取引きだから……」
ラスボスからしても、私はまだ子供で。
自分の力で住む世界を変える術を知らなくて。
取引きを持ちかけられたあの日、本当は怖かった。