S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


* * *



「あー、よかったぁ!明里が学校に来て!」


「ひ、火神さんっ!?どうしたの?」



教室に入ると、火神さんは今か今かと私を待ち構えていたらしくすぐに飛びついてきた。



「だって、昨日ローランド先生のところから戻ってきた明里の顔がヤバかったからさ?」



と、心配してくれる火神さんの隣でぶんぶんと高速で頷く顔面凶器。



「あっ……」



言われてみれば、完全に憔悴しきっていたかも。


あの時は、結果が結果だけにお先真っ暗だった。



「初めてなのによくやったよ。来年こそは称号をリベンジしようよ!わたしが出来ることはもっと協力するからさ!」



弾けるような笑顔を向けられて、私まで自然に笑みが溢れる。


火神さんはどこまでもいい人だ。


優しくて、真っ直ぐで、思いやりがあって。


もっと色んな火神さんを知りたいな。

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