S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


「自分も格闘など得意ですので、お力をお貸し致します」


握りこぶしを見せるノブさん。



「ノブさんまで……あ、ありがとうございます」



嬉しい。

こうやって応援してくれる人がいるって。



ただ、その未来に、私がいるのかさえわからないけれど。


入学当初は、まさかここにいたいだなんて思うとは想像もしていなかったな……。


称号はもう目指す理由がなくなってしまったけど、火神さんのことをもっと知って、一緒にお弁当を食べて……。



そうやって、もっともっと過ごしたい。


これが最後になるかもしれないって思うと、寂しさが湧き上がる。


泣きそうだ……。



「うむ。やはり僕の指導が少なかったことが敗因かと判断している。今後は住む家をともにして、明里くんにみっちり僕がレッスンしようではないか」



はい?


いやだから……。


なんで毎度、蒼ノ月様までいるのよ!?

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