S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


「めちゃくちゃ心配なんだけど」



喜びを噛み締めている私の隣で、椿がまたもや溜め息を落とした。



「心配……?」


「親父が明里に惚れたら困る」


「……」



はい……?


そんなこと絶対にありえないのに、真顔で言ってのける椿ってば、本当にもう……!!



「あ。俺、まだ教えてないことあるんだよね」


「……教えてないこと?」



今まで称号のためにカリキュラムの内容だって、たくさん教えてもらってきたはず。


……他に、まだあるの?



「あぁ!明里!それ、わたしも言ってなかったわ!この祭典は、本当は王子が愛する女に一輪の青い薔薇を贈るっていうフィナーレで幕を閉じるんだよね」



ずっと見守ってくれていた火神さんが、笑顔で教えてくれた。

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