S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「親父が帰国したら、真っ先に会いに行くのが明里かもしれないよ?」
「っ、そ、そんなことないでしょ!?てか、それはそれでまた力が抜けなくなる……」
「気抜いてるの?」
「あ、うん……祭典も終わって、ラスボスにも追放されることもなくて、ちょっと安心したっていうか……」
まだ、あまり実感みたいなものは湧いてこないけれど。
それでも、明日からの日々はキラキラしているに違いないと思える。
「───危機感なさすぎじゃない?」
えっ?
隣の椿を見る。
不敵に微笑む椿との距離があまりにも近いことに、私はようやく気づいた。
「ここ、俺の部屋だよ?」
「っ、」
当たり前に椿の部屋に通されて、今までと変わらず、椿のベットに腰を降ろしていたけれど。
しまった……。