S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「放っておいてもこの店は潰れるだろうな。だがもし突然、お気に入りのオモチャであるキミが椿の前から消えたら……血迷った椿は北国までキミを追いかけるかもしれないだろうと考えた」
「ま、まさか……」
椿が、私を追いかけてくるなんてことは。
「そんな軽率な真似はしないと信じたいが、わたしはどんな小さな不安要素も潰す主義でね?」
わかりますわかります、そういう顔してますもんね、とは言わなかった。
「ここからは単刀直入に言う。推薦状はわたしが書く。キミも目的を達成出来るチャンスだ。そしてあの称号を手に入れることが出来たあかつきには、庶民のキミを見直して豆腐屋はわたしが救おう」
「救う……!?」
「世界各地にある星ノ宮のホテル、シャングリラでキミの家の豆腐を扱おう。悪い話しではないはずだ。どうだろうか?」
ウチの豆腐を世界のホテルで!?
やばい、嬉しくて小躍りしそう……。