S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


でも、それじゃあ提案してきたこのラスボスにメリットがない……。



「もし、私がその称号を手に入れることが出来なかったら……?」



ラスボスの目の色が変わったのがわかって、私は喉を鳴らした。



「そんなの答えはひとつしかないに決まっているだろう?店を畳んで北国へ帰りたまえ」



やっぱり………。



「椿も、僅かな時間でもキミと過ごせれば少なからず満足するだろう。オモチャはね、いずれ飽きるものなんだよ?」



つまりラスボスは私に椿の前から消えろと言ってるんだ。



“ 優しい味を届けたい ”


そしてラスボスは、豆腐屋の入口に貼ってあるウチのポスターを見やると、



「くだらぬ夢など早く捨てるんだな」



フンッと鼻を鳴らして冷笑した。

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