S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「俺着替えるんだけど、まだここにいる?」
「いないよ!着替えるんなら私は出てくよ!」
「なんで怒ってんの?」
……怒ってるんじゃなくて、朝から心拍数を上げられて動揺してるだけで。
「………って、いきなり脱がないでよ!」
「俺は見られて困ることないし?」
私は困るんだぁーーーー!!!!
容赦なく質の良さそうなパジャマを脱ぎ捨てる椿から、私は慌てて背を向けた。
「この先の未来、いくらでも見ることになるんだから今のうちに慣れとけば?」
「そっ、そんな未来はない!だから慣れることもない……っ!」
「我が妻は冷たいなぁ」
どこかイタズラっぽい口調で椿は言った。
「だから妻なんかになってないでしょ!?」
「あ。俺気が早い?」
クスッと意地悪に笑う椿の声が背中に伝わる。
ドアの前に立ってこちらを見ている黒崎さんが、私達を見てふふっと笑った気がした。