夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「……依頼書。
アランの会社からの依頼書を出せ。」
「ッ……。」
マスターが一瞬ビクッと身体を揺らした後に、俺を睨むように見つめてくる。
いつもと違う俺の様子に戸惑いながらも、さすがはマスター。冷静に対応しようという様子だった。
「…ヴァロン、話を聞け。
ワシもシュウも、お前に話したい事が……。」
「聞こえねぇのか?」
でも俺は、マスターの言葉を遮って低い声で問いかけながら…。首を絞めている手と腕に力を込めて、グッと少しシュウの身体を浮かせる様に持ち上げる。
「時間がねぇんだよ、依頼書を出せ。」
「っ…は、ッ……ぁっ!」
俺の行動に、苦しそうな呻き声を漏らすシュウ。
「…俺は本気だ。」
俺はマスターを横目で見たまま、もう片手をシュウの頭に添えて言葉を続ける。