夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

……。
ああ、そっか。
俺は、ずっと子供の時…。聞いてほしかったんだ。

”どうしたの?”
”何かあったの?”…って。

嘘吐きの俺を、見抜いてほしかった。


そして……。

”大丈夫だよ”…って。

本当の俺を知っても、嫌わないでほしかった。
もう、大切な人が離れていくのは…嫌だった。

……。

「……大丈夫だよ。」

アカリが、身体を少し離して俺の眼鏡を外すと…。そう言って、微笑んだ。


「シュウさんも、みんなも、ヴァロンを嫌いになったりしない。
私とヒナタは、ずっとヴァロンの傍にいるよ。」

優しい言葉を掛けながら、俺を自分の胸に抱き寄せて、子供をあやすように頭を撫でてくれる。

彼女のその言葉と行動は、間違いなく今俺が1番ほしかったもので…。
失いかけた大切なものを、もう一度信じる強さを…。アカリがくれた。
< 269 / 402 >

この作品をシェア

pagetop