【完】DROP(ドロップ)



「鈴、巧ちゃんの事好きだから」



はぁ!?



おもいっきり大声で叫びたかった声は出なかった。



言われた言葉に一気に目を見開き、時が止まる。



鈴ちゃん?
何言ってんの?



「本当は中3か、高1で告白するつもりだったんだけど」



告白って俺に?

まじかよ。



「巧ちゃんに彼女出来たら意味がないから、今言っちゃった」



いやいや。

照れて笑うとこじゃないから。



テヘッと言わんばかりに笑った鈴ちゃんを見て、



「俺、中学生とか無理だから」



冷たいかもしれないけど、それしか言えなかった。



だって、ここで本気で断れば、この先会いにくくなるだろ鈴ちゃんが。

この断り方なら俺が酷い奴になれると思ったのに。


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