【完】DROP(ドロップ)



「ちょっと、待てーぃ!」



響き渡るデカイ声に、2人が俺を見上げた。



「何よ、陸」

「ど、どうした?」

「俺、結婚とか。その前に秋人に女が居るのも知らなかったんだけど! それに、ココなくなったらどこで会うわけ!?」



一気に喋った俺に



「お前に言ったら手出しそうだったからな。でも、今は……大丈夫そうだし。ま、そーいう事で。じゃ、ごゆっくり奈央♪」



そう言い残すと出て行ってしまった。



「何だよー。俺、ツレの女には手出さないもん」



ションボリしながら、またソファへと座ると、今度は奈央が



「へぇー。私に会いたいんだ?」



なんて不敵な笑みを浮かべていた。



「え、あ、いや。俺じゃなくて! 奈央ちゃんが……だろ!?」

「へぇー、私?」

「奈央ちゃん、俺が好きって……」



俺の隣へと座り直し、パラッと落ちた髪を耳へとかける仕草にドキッとしてしまった。




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