理不尽



本を小さなカバンに入れると待ち合わせしていた中庭まで車椅子で移動した。

彼は私を見つけるとすぐに車椅子を押してくれて凄く親切だった。


人の優しさに触れるのが久しぶりで
涙を堪えるのに苦労した。



彼はベンチに座って
私は車椅子に乗って

読書を始める。



なんの運命か、2人とも同じ本を読んでいた。
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