お姫様は男装騎士
「カロナは騎士を目指して隣国から来たんだよ。

この国の事についてあまり知らないから、

今日と明日の2日間で色々教えてから王宮に向かおうと思っていたのさ。

話忘れてごめん、リアム牧師先生」


「そうだったのですね。

こちらこそ、早とちりしてしまいすみません」


と誤解が解けた2人。


良かった良かった。


って、そもそもの原因は僕か…。


「さて、

カロナさんについて聞けたのでそろそろ教会の中

に入りましょうか。」


とリアム牧師先生が教会の扉を開ける。


…そう言えば今までの会話は全部教会の外で行わ

れていたのだった。


「リアム牧師先生、ありがとうございます」


「リアム牧師先生、ありがとう」


父上と僕が教会の中に入るとリアム牧師先生は静

かに扉を閉めた。


教会の中は隅から隅まで綺麗に掃除されていて、

清々しい気持ちになる。


「アダム牧師先生、お帰りなさいませ!!」


と椅子に座っていた聖女様がこちらに来た。


(あっ、かわいい聖女様!!)


と思った僕の思いは父上の一言により崩れた。


「ただいま、ジョン牧師先生」


(……ん?ジョン牧師先生?聖女様ではなく?)


と悩んでいる僕を見てリアム牧師先生は、


「ジョン牧師先生、カロナさんが悩んでいます。

今すぐに着替えてきてください」


と溜息を吐きながら言う。


「はーい!

すぐに着替えてきます!」


と敬礼するジョン牧師先生。


「返事を伸ばさないでください。

…全く、何度言えば分かるのやら…」


と溜息を吐くリアム牧師先生。


(リアム牧師先生は苦労人なんだな…)


と理解するカロナだった。
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