お稲荷様のお呼びです!


「ごめんね、足元おぼつかなかった」


「まったく……綺麗に着地したから怪我なかったけど……もっとよく気をつけて」


「う、うん」



ひーちゃんの怒りが伝わってきて、身を縮こませる。


支えられながら立ち上がり、慎重になって階段を下りる。


チャイムが鳴るギリギリに化学実験室へ辿り着き、何もなかったかのように授業が始まった。


いつものようにかいちゃん先生が仮面を被ったような顔しながら、自分の実験を披露しようと気合いを入れて入ってくる。


教壇に上がろうとするけれど足を踏み外し、その場でずっこけた。


笑いが溢れた教室内で、私は一人真剣な表情で窓の外を眺めていた。




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