ワケありルームシェア
リビングに向かう。
「いない……。」
洗面所、風呂場、キッチンと探すけど哀川さんは見つからない。
そう言えば、タオルってどこにしまってるのだろう。それがわからなければ全部わからないじゃないか

「あれ、緋山君?」
「あれ。」
「どうしたの?」
「いや、遅かったから。」
「ごめんね、緋山君のタオルが見つからなかったから私の部屋に探しに行ってたの。これでもいい?女の子っぽくてごめんね。」
「いや、別に貸してくれるだけありがたい。」
少し心配した気持ちは無駄だったのか。
まぁ、何もなくてよかったけど。
渡された花柄のタオルを使う。
「緋山君、寒くない?」
「え、別に平気だけど…。」
「そっか。ご飯作ってくるね。」
「先に風呂だけ入ってきた方がいいんじゃない。」
「ううん!緋山君が先に入って!私は全部終わってから入るから!」
「いや、僕は男だし風邪ひかないから…、」
「駄目だよ、自分の体を大切にしなくちゃ!ご飯がないと寝るの遅くなるし、ね。」
コレはきっと譲らないタイプだ。
「………分かったけど、風邪ひかないでね。体冷えてるんでしょ。ご飯の準備は後でもいいからソファーに座っといて。」
「えっ、でも、」
「じゃあ、先に入る?」
「……ちゃんと待っとく。」
そして、僕は風呂場に向かった。
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