ワケありルームシェア
「哀川さん、大家さんの電話番号とか知ってるよね。」
「知ってるけど………、水谷さんは家に帰ったよ?」
「……最悪。」
今、近くにはいないってことだよね。
じゃあ、頼れるのは澄だけ、か………。
「哀川さん、ちょっと待ってて。」
「うん……。ごめんね。」

部屋に行く。澄に電話をかける。
『よぉ!どうしたんだ、螢から電話なんて。弓景眞白先輩のことか?だったら、』
「ねぇ、看病の仕方教えて。」
『は?』
「いいから。君、看病とか得意でしょ。」
澄は弟の世話とかをよく見ている。
幼い頃に不覚ながらも看病してもらった記憶がある。
『別にいいぜ。けど何でだ?』
「哀川さんが熱出した。」
『なるほどね、だから螢も俺なんかに電話してくるのか。』
「いいから、早くして。」
『分かった分かった、すぐ行くから待ってな。』
通話を切る。

リビングの向かうと哀川さんがソファーにいなかった。
「え、どこ。」
カチャカチャ、とキッチンから音がする。
キッチンを覗いてみると哀川さんがいた。
「ねぇ、何やってるの。」
「あ、ご、ごめん。でも、お腹すいたかなって…。」
「今から澄が来るから大人しくしてて。」
「ま、澄君も来るの?じゃあ、お茶の用意しなくちゃ…。」
「いいから座ってて。」
「うっ………、分かった。」
< 164 / 175 >

この作品をシェア

pagetop