ワケありルームシェア
「これから先生が来るまでの5分間でこの場から逃げ出す方法を考えよう。」
「さんせ〜。」
逃げるって言っても先生からは逃げられないよ。
「ぶちょー。私にいい考えがあるんですけど。」
「なんだ、弓景君。」
「合宿での料理練習で材料買って誰かの家によるって言うのは?」
「家庭科室でやれって言われるな。」
それから今までにないくらい話し合いをした。
まぁ、5分間だけだけど。

「ねぇ、」
そして、もうすぐで先生が来るというところで緋山君が口を開く。

「合宿に持っていく材料を買えばいいんじゃないんですか。」
料理は家庭科室を使えばいいからダメ。
だったら道具集めとかでいい。


「それだぁ!」

_______________ガララッ。

奏汰先輩が叫んだ直後に先生が入ってくる。
「ちゃんと部活しているか、君たちは。」
「もちろんです。今から合宿に必要な道具を買ってきたいんですけどいいですか?」
「そうかそうか!もう準備するのか!早いことはいいことだぞ。行ってこい。」
「ありがとうございます!」

先生が出ていったのを見計らって……。
「緋山君!ナイスアイデアだ!」
「いや、普通に考えればわかることですよね。」
「俺にはわからん!」
「はぁ。」

あらかさまに絡まれて嫌そうな顔をする緋山君。
< 69 / 175 >

この作品をシェア

pagetop